忍者ブログ

[PR]

2024年11月22日
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

国立ロシア美術館展

2007年06月23日
http://www.rusmuseum.jp/index_pc.html
東京都美術館(上野)2007/4/28〜7/8
金沢21世紀美術館8/25〜9/29
愛媛県美術館10/3〜11/11
天保山サントリーミュージアム2007/11/20〜2008/1/14
東京富士美術館2008/1/24〜3/23

すばらしい。
かつて見て来た展覧会の中でも1・2を争う質の高さ。ロシアの近代美術がここまで素晴らしいとは思わなかった。
少しでも絵画に興味がある人であれば、この展覧会は見逃してはならない。絶対に見ておいたほうがいい!見ないのは人生の損失。そこまで言うよ!(笑)

どういった傾向の絵画だったかというと、表面上の技術は写真と見まがうリアルな筆致であり、清澄な空気を感じる明るく冴えた色味、主題は社会の一場面を切り取ったかのようなドキュメンタリズム、 印象は対象への愛着やシンパシーが感じられる人なつこさ、そして悲愴な場面でも漂うロマンチシズム。
なんとなく、ロシア音楽やバレエの世界(バレエはロシアで音楽化、舞踏化されたものが多い…と思う)で展開される妙にリリカルで陶酔的な雰囲気は、こうした文化ゆえなのかと納得した。
誰が見ても美しいと感じ取れる、鮮やかな絵画たち。
目にここちよいひとときが味わえます。

PR
感想のつづきはこちら "国立ロシア美術館展"

「ベルギー王立美術展」

2007年06月18日
ベルギー王立美術展
http://event.yomiuri.co.jp/royal/

1/6〜3/25 長崎県美術館
4/7〜6/24 国立国際美術館(大阪)

上野の西洋美術館にて2006年の年末まで開催のだったが、大阪ではまだ会期が残っているので蔵出し。
この感想を書いた時期は去年末です。
って出したっけ?


ざっくりした展示だったのでざっくりとみてきました。
ブリューゲル→ルーベンス→アンソール→マグリットという流れ。

なんつーか、ベルギー美術って西洋美術の中でやっぱりはみでてる(笑)。
底深い皮肉がひそんだ表現とそれを含んでもなお対象へ対する愛着を感じさせる、ふところ深く泥臭いベルギー美術。

感想の続きはこちら "「ベルギー王立美術展」"

「ロシア皇帝の至宝展」

2007年06月15日
「ロシア皇帝の至宝展」

江戸東京博物館(2007/3/20〜6/17)
大阪国立国際美術館(2007/7/10〜9/17)
http://www.tbs.co.jp/kremlin2007/index-j.html

ウワサではあんまり混んで無いってことなので安心していたら、どうやら団体さんがきていた模様。しかも高年齢の方ばかりがうじゃうじゃー

シップくさいわショウノウくさいわ得体がしれない匂いもするわで途中で「ごめんなさい‥」とか言って遁走したくなってしまった。
老人の海にもまれるのはひとつの暴力ではないだろうか…。



とりあえず、老人の波間からみてきたロシア皇帝モノ、非常におもしろかったです。
ロシアの歴史もロシア正教もわからない状態でみてたんだけど、見た目のインパクトは無知な状態で見ても充分伝わる豪奢さ。
これでもかっていう感じでキンキラキンでぐりんぐりんでドカーン!な工芸品の数々。こんなもの作ってるからその圧政にすりきれたロシア庶民が怒って革命起こしたんだったらしょうがないよなーと思うくらいにはバカゴージャス。ここまでくると笑える。

西ヨーロッパとの比較としては、同時期のイタリアがルネッサンスに花開いてる頃だというのに、ロシアは中世ゴシックをひきずっていて、宗教画も非常に旧いタイプの描き方がされている。画法も構図も12世紀のまま停まっているかのようだ。代表的なのはイコンで、聖人の描き方は中世の人体をあまり理解していないフランクさ。でもその周りを立体的に彩る金の打ち出し紋様の精巧さは非常に先端をいっている。このアンバランスさは西ヨーロッパの美術にはない。
その特異な雰囲気は時代がバロックのころに差し掛かっても同じで、中世っぽさはそのまま、金細工の精巧さはドイツの驚異的技術にもおとらないという、ゴシック好きにとってはたまらないセンスがそこに現れている。
宗教画の題材でいうと、イタリアドイツあたりではあんまり出て来ない聖人が多くてよくわからんかった。スペインイタリアで大流行りだったマグダラのマリアは全く影もない。
ロシア正教は10世紀に他のキリスト教と袂を分けたらしいけれど、マグダラのマリアがそれ以降に登場した逸話である、ということもここらへんから実感ができる。
いずれにしろ、ルネッサンスもバロックもロシアには遠い文化であって、ロシアにあらわれたバロック的なモノに関しては、本場ドイツのバロックよりももっと本来の意味でのネオゴシックだったのかなと感じる。(正確にはビサンチン美術なのだろうか)。

そしてそれらの時代をすっとばして突然女帝エカテリーナの時代にフランスロココ化する。18世紀になってやっと西ヨーロッパと時代がすりあってきた雰囲気。そしてエルミタージュ美術館(エカテリーナの隠れ家)は収蔵品を貯える。
でもそのあとナポレオンがロシア攻めしてきてフランス大嫌いになってしまうあたり、交流と戦乱は紙一重というか。

と、こんなことをダラダラと書いてしまいたくなる程度にはロシアの歴史を想像させる展示品でした。
司教や皇帝の豪奢という言葉ではおさまらない、贅の蕩尽の権化みたいな衣装を見てると、土地柄を考えても決して豊かではないだろうロシア庶民の怨嗟が立ち上ってくるような豪華への妄執みたいなモノも感じる。



あっ、そうそう、最初に展示してた腕輪や首輪、著しくケルト紋様クリソツなんだけどそこまでケルト民族は進出していたのだろうか。そういうの解説にかいておいてほしいなあ。江戸東京博物館は説明が足りなくて展示の仕方がへたくそなのがいただけない。もってくるモノはいいのに。がんばれ学芸員(ここでいっても。

「シュルレアリスム展−謎をめぐる不思議な旅」

2007年03月24日
総評;こじんまりとした展示ながら、コンセプトの組み立て方がうまい。
さほど人で混み合っていないので余裕をもって見られた部分のポイントも高い。

埼玉県北浦和公園の中にある「埼玉近代美術館」にて開催していたので見てきました。
シュルレアリスムの代表的な作家をほぼ網羅したようなリストに、どれほどの作品を集められたのだろうと思っていた。ひと作家につき2〜5点、うち超有名な代表作といえるようなものはなかったけれど、作家の特徴が十分感じられる(本流からはずれていない)作品をチョイスしている。
シュルレアリスムが当時どういう意味をもち、なにを標榜していたのかをわかりやすくセクション分けしている。学芸員、いい仕事してます。

埼玉県のは25日で終りですが、この美術展は巡回するので他の地方在住の方も近くに来た時に行けるかと思います。

【今後の巡回 会期・会場】
2007年2月21日(水)〜3月25日(日)
 埼玉県立近代美術館
 http://www.momas.jp/

2007年4月1日(日) 〜5月27日(日)
 岡崎市美術博物館@愛知県
 http://www.city.okazaki.aichi.jp/museum/ka111.htm

2007年6月2日(土)〜7月8日(日)
 山梨県立美術館
 http://www.art-museum.pref.yamanashi.jp/
2007年7月21日(土)〜9月2日(日)
 宮崎県立美術館
 http://www.miyazaki-archive.jp/bijutsu/

2007年9月15日(土)〜10月28日(日)
 姫路市立美術館@兵庫県
 http://www.city.himeji.hyogo.jp/art




個々の作品、レストラン、公園の感想を読む "「シュルレアリスム展−謎をめぐる不思議な旅」"

ロバート・サブダ 仕掛け絵本展

2006年12月24日
昨日は池袋西武の『ロバート・サブダ 仕掛け絵本展』見に行ってきました。
http://www.shikake-ehon.jp/  ←展覧会HP

いやーすごかった。
自分が子供の頃にはこんな精緻な仕掛け絵本はなかった。すごい!
ページをめくると竜巻きが回りながら!立ち上がり、恐竜はアギトを突き出し牙を剥きながら迫る。
ただ立体になるのではなく、ストーリーに見合った動作をしながら立ち上がってくるのだ。
なにをどうやったらこんな設計を考えつくのか、もう驚愕するばかり。
絵としてもすごく完成されていて、平面画でも充分鑑賞対象なのに、それが3Dとして立ち上がってくる様は、目の当たりにするとすごく興奮する。
現に会場にいた子供たちは凝視し感嘆し、オトナはもっと感心する(笑)。
紙の上に描かれた二次元の世界が、三次元へ変貌する様は質のよいマジックをみている時と同種の感動を覚える。



写真は展示してあったもの。
2畳分ほどの大きさで展開されていて迫力(笑)。
うちの昔携帯ではきれいにうつりません…。
 
展示物は、絵本をそのまま大きくしたものが置いてあるだけ、といってもいいので、本を持っている人は「大きい絵本をみてみたい」という動機がなければあまりみる必要はないかも。ただし、会場の最後の物販コーナーで展示物以外の仕掛け絵本が多数置いてあるので、それを見るたのしみもある。
そしてその物販コーナーは魔のゾーンでもある。
うっかり…3冊…自分で作るキット2冊…買ってしまった…くらいの魔力が(笑)。
一冊4000円と本としては高いけど、絵本としてこれだけの仕掛けがほどこされているなら高くはない!(といいきかせて買った
子供のようにカパカパと開いたり閉じたりしまくりです。ずっと見てても飽きないヨ!



実はノエオンリーで仕掛け絵本なノエイン本を作ろうとしていたけど、(時間がないのが一番の原因だが)構造がよくわからなくて手をつけることすらできなかった経緯があるので、余計にこの本を手に入れて興奮しているのもある。
ま、原物を見てあまりのすごさにちょっと尻すぼんだりしたけど(笑)。
今その欲求がむくむくともたげています。

展示期間は24日までだったのが今月28日まで延長されました。
早く行かないと終っちゃうよん。
他の地区の西武にも回ったらいいのに。
 | HOME | 次のページ »