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2024年11月22日
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「ロシア皇帝の至宝展」
2007年06月15日
「ロシア皇帝の至宝展」
江戸東京博物館(2007/3/20〜6/17)
大阪国立国際美術館(2007/7/10〜9/17)
http://www.tbs.co.jp/kremlin2007/index-j.html
ウワサではあんまり混んで無いってことなので安心していたら、どうやら団体さんがきていた模様。しかも高年齢の方ばかりがうじゃうじゃー
シップくさいわショウノウくさいわ得体がしれない匂いもするわで途中で「ごめんなさい‥」とか言って遁走したくなってしまった。
老人の海にもまれるのはひとつの暴力ではないだろうか…。
とりあえず、老人の波間からみてきたロシア皇帝モノ、非常におもしろかったです。
ロシアの歴史もロシア正教もわからない状態でみてたんだけど、見た目のインパクトは無知な状態で見ても充分伝わる豪奢さ。
これでもかっていう感じでキンキラキンでぐりんぐりんでドカーン!な工芸品の数々。こんなもの作ってるからその圧政にすりきれたロシア庶民が怒って革命起こしたんだったらしょうがないよなーと思うくらいにはバカゴージャス。ここまでくると笑える。
西ヨーロッパとの比較としては、同時期のイタリアがルネッサンスに花開いてる頃だというのに、ロシアは中世ゴシックをひきずっていて、宗教画も非常に旧いタイプの描き方がされている。画法も構図も12世紀のまま停まっているかのようだ。代表的なのはイコンで、聖人の描き方は中世の人体をあまり理解していないフランクさ。でもその周りを立体的に彩る金の打ち出し紋様の精巧さは非常に先端をいっている。このアンバランスさは西ヨーロッパの美術にはない。
その特異な雰囲気は時代がバロックのころに差し掛かっても同じで、中世っぽさはそのまま、金細工の精巧さはドイツの驚異的技術にもおとらないという、ゴシック好きにとってはたまらないセンスがそこに現れている。
宗教画の題材でいうと、イタリアドイツあたりではあんまり出て来ない聖人が多くてよくわからんかった。スペインイタリアで大流行りだったマグダラのマリアは全く影もない。
ロシア正教は10世紀に他のキリスト教と袂を分けたらしいけれど、マグダラのマリアがそれ以降に登場した逸話である、ということもここらへんから実感ができる。
いずれにしろ、ルネッサンスもバロックもロシアには遠い文化であって、ロシアにあらわれたバロック的なモノに関しては、本場ドイツのバロックよりももっと本来の意味でのネオゴシックだったのかなと感じる。(正確にはビサンチン美術なのだろうか)。
そしてそれらの時代をすっとばして突然女帝エカテリーナの時代にフランスロココ化する。18世紀になってやっと西ヨーロッパと時代がすりあってきた雰囲気。そしてエルミタージュ美術館(エカテリーナの隠れ家)は収蔵品を貯える。
でもそのあとナポレオンがロシア攻めしてきてフランス大嫌いになってしまうあたり、交流と戦乱は紙一重というか。
と、こんなことをダラダラと書いてしまいたくなる程度にはロシアの歴史を想像させる展示品でした。
司教や皇帝の豪奢という言葉ではおさまらない、贅の蕩尽の権化みたいな衣装を見てると、土地柄を考えても決して豊かではないだろうロシア庶民の怨嗟が立ち上ってくるような豪華への妄執みたいなモノも感じる。
あっ、そうそう、最初に展示してた腕輪や首輪、著しくケルト紋様クリソツなんだけどそこまでケルト民族は進出していたのだろうか。そういうの解説にかいておいてほしいなあ。江戸東京博物館は説明が足りなくて展示の仕方がへたくそなのがいただけない。もってくるモノはいいのに。がんばれ学芸員(ここでいっても。
江戸東京博物館(2007/3/20〜6/17)
大阪国立国際美術館(2007/7/10〜9/17)
http://www.tbs.co.jp/kremlin2007/index-j.html
ウワサではあんまり混んで無いってことなので安心していたら、どうやら団体さんがきていた模様。しかも高年齢の方ばかりがうじゃうじゃー
シップくさいわショウノウくさいわ得体がしれない匂いもするわで途中で「ごめんなさい‥」とか言って遁走したくなってしまった。
老人の海にもまれるのはひとつの暴力ではないだろうか…。
とりあえず、老人の波間からみてきたロシア皇帝モノ、非常におもしろかったです。
ロシアの歴史もロシア正教もわからない状態でみてたんだけど、見た目のインパクトは無知な状態で見ても充分伝わる豪奢さ。
これでもかっていう感じでキンキラキンでぐりんぐりんでドカーン!な工芸品の数々。こんなもの作ってるからその圧政にすりきれたロシア庶民が怒って革命起こしたんだったらしょうがないよなーと思うくらいにはバカゴージャス。ここまでくると笑える。
西ヨーロッパとの比較としては、同時期のイタリアがルネッサンスに花開いてる頃だというのに、ロシアは中世ゴシックをひきずっていて、宗教画も非常に旧いタイプの描き方がされている。画法も構図も12世紀のまま停まっているかのようだ。代表的なのはイコンで、聖人の描き方は中世の人体をあまり理解していないフランクさ。でもその周りを立体的に彩る金の打ち出し紋様の精巧さは非常に先端をいっている。このアンバランスさは西ヨーロッパの美術にはない。
その特異な雰囲気は時代がバロックのころに差し掛かっても同じで、中世っぽさはそのまま、金細工の精巧さはドイツの驚異的技術にもおとらないという、ゴシック好きにとってはたまらないセンスがそこに現れている。
宗教画の題材でいうと、イタリアドイツあたりではあんまり出て来ない聖人が多くてよくわからんかった。スペインイタリアで大流行りだったマグダラのマリアは全く影もない。
ロシア正教は10世紀に他のキリスト教と袂を分けたらしいけれど、マグダラのマリアがそれ以降に登場した逸話である、ということもここらへんから実感ができる。
いずれにしろ、ルネッサンスもバロックもロシアには遠い文化であって、ロシアにあらわれたバロック的なモノに関しては、本場ドイツのバロックよりももっと本来の意味でのネオゴシックだったのかなと感じる。(正確にはビサンチン美術なのだろうか)。
そしてそれらの時代をすっとばして突然女帝エカテリーナの時代にフランスロココ化する。18世紀になってやっと西ヨーロッパと時代がすりあってきた雰囲気。そしてエルミタージュ美術館(エカテリーナの隠れ家)は収蔵品を貯える。
でもそのあとナポレオンがロシア攻めしてきてフランス大嫌いになってしまうあたり、交流と戦乱は紙一重というか。
と、こんなことをダラダラと書いてしまいたくなる程度にはロシアの歴史を想像させる展示品でした。
司教や皇帝の豪奢という言葉ではおさまらない、贅の蕩尽の権化みたいな衣装を見てると、土地柄を考えても決して豊かではないだろうロシア庶民の怨嗟が立ち上ってくるような豪華への妄執みたいなモノも感じる。
あっ、そうそう、最初に展示してた腕輪や首輪、著しくケルト紋様クリソツなんだけどそこまでケルト民族は進出していたのだろうか。そういうの解説にかいておいてほしいなあ。江戸東京博物館は説明が足りなくて展示の仕方がへたくそなのがいただけない。もってくるモノはいいのに。がんばれ学芸員(ここでいっても。
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